リング変形直し
今回はカルティエ ラブリングの変形直しのご紹介です。
最初に持ち込まれた時の状態です。。。
顕微鏡で指輪を確認しながら、、、正直、これは無理と思いました
仮に直せても強度的にかなり落ちてしまうし、リングの内側のカルティエ刻印や
文字入れも完全に消えてしまいます。
また、リングを広げる過程でリング側面にキズも入ると思いました。
ただ、お客さま的にはこのラブリングにかなり強い想い入れがあるようだったので、、、
修理に取り掛かって無理そうならそこでストップを掛けて、工賃もいただかないです
いけそうなら お見積もりを出し、それがご予算内であれば進めていく。
という、スタンスでお引き受けしました。 そのぐらい自信がなかったので
まずは、指輪を広げる際に地金が割れることを少しでも防ぎたかったので
地金をなまし(柔らかく) ながら、ゆっくりと広げていきました。
顕微鏡で金属のシワや割れが出ているのかチェックしながら少しづつ広げていきます。
ようやくここまで広がってきました
別角度から見ると 割れが入っています。
できるだけ ぴったりと合うようにしてから溶接(ロー付け)し、補強します。
最終的にはここまで、円に持っていき研磨していきました。
少しでも減りをなくしたいので研磨はほんとに軽くです。でも取れる傷は取っていきたい。
バランスを見ながら研磨していきました。 なので、深い傷はそのまま残してあります。
別角度から見ると、、、
変形による金属のシワを取るため、カルティエの刻印もかなり薄くなってしまいました。
そして、なんとか無事納品できました
今回思ったのは、修理ってほんと難しい、、、です。
修理はマイナスの状態から どこまで回復させれるか、 だと思うのですが
その回復のレベルがお客様と僕とで統一されていればいいのですが
ぼく自身もどこまで回復できるか、分からない時があるんですよね。
そうなると、やれるだけ やってみます みたいな感じになってしまいます。
また、仕事を引き受けるか、受けないかでも
もしウチが断って、他のお店で直したほうがもっと上手に直せる可能性も
十分あります。 そう考えると断ったほうがいいの? などなど、、、
考えると修理の対応の仕方が広すぎるんですよね、、、
できるだけ修理前と修理後の画像をブログなどでUPしてアトリエエッグのレベルを
いい意味でも、悪い意味でも知ってもらう。 そしてあとは任せてもらう。
それしか今は思いつかないです。。。 修理の対応の仕方って難しい。。。
アトリエエッグの製作ブログではこの他にもいろいろな修理をご紹介しています。
奥様がカルティエの結婚指輪を失くされ、旦那様の指輪を-7番にするサイズ縮めなども、、、
カルティエ結婚指輪のー7番のサイズ直し
アトリエエッグではいろんなブランドの指輪のサイズ直しや修理をしてきました。
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Comments
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同じような状態に指輪がなってしまい、諦めていたのですが、修理お願いできますでしょうか。
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通りすがりです。
スゴイですね。ちょっと感動しました。
コメント
いい仕事しているし、思い入れのある品の修理のプレッシャー、直してあげたいというワクワク。